【レポ】中学生が追究した「人となじみやすいクルマについて」| Life Work Project | Car Design Academy [カーデザインアカデミー]|オンラインのカーデザインスクール

【レポ】プロをも唸らす!愛知県のスーパー中学生らが「カーデザイン論」を語る

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愛知教育大学付属岡崎中学校がおこなっている「Life Work Project*」の取材で、4名の中学3年生がNori,inc.のデザインオフィスに来てくれました。

キャリア教育の一環として行われている「Life Work Project」。中学一年生の段階で、自分のあるべき姿とは?を考え、ひとつのテーマにしぼります。そのテーマに沿って3年間かけて深掘りしていくというプロジェクト。恐るべし岡崎中学校。

 

今回来てくれた4名の中学生は、将来の夢がカーデザイナー、建築家、プロダクトデザイナーだという、デザインに興味がある生徒達。そんな彼らの堂々たる「カーデザイン論」をご一読ください!

※下記内容は、平成27年度 Life work 発表資料 / 井口くん(中学3年生)「人となじみやすいクルマについて」より、抜粋して引用しています

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カーデザイン論を熱く語る井口くん

それぞれのクルマには、必ずと言ってよいほど、「魅力」が存在する。このことは、なじみやすいクルマの絶対不可欠条件として考えてよいと思う。「魅力」の意味を辞典で調べてみると「人のこころをひきつけて夢中にさせる力」と書いてあるけれども、僕のクルマにおいて考える「魅力」というのは、「そのモノが人をひきつけるチカラ」のことだと思う。理由としては、元々人とそのモノにあった距離感というものを、近付けさせるという役割を果たすのが「魅力」というものだと思うから。「魅力」は、何らかのチカラではないかと僕は思う。また「魅力」を感じさせるためには、「かっこいい」「かわいい」「安全・環境重視である」の3つの点が重要な点ではないかな、と僕は考える。そして「なじみやすいクルマ」には「魅力」が必要不可欠である。

 

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なじみやすいクルマの条件とは?を語る

・「かっこいい」の主な条件とは?

①流線形のデザイン

②近未来的なデザイン

があげられるが、他にも人それぞれ違うかっこよさがあるだろう。

・「かわいい」の主な条件とは?

①全体的に小さめ

②角ばった部分がない

③全体的に明るめの色で統一されている

があげられるが、他にも人それぞれ違うかわいさといったものがあるだろう。

・「安全・環境重視である」の主な条件とは?

①安全装備がある

②環境に優しいクルマ(例えばハイブリッド車、FCVなど)である

があげられる。

 

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時にはデザインを抑えるのも重要だ!と訴えかける井口くん

以上のことが、僕が「なじみやすいクルマ」に必要だ、と思う条件である。以上のことをクルマに表すには「カーデザイン」しかないのである。だから「カーデザイン」に上記の要点を何点が組み込めれば、「魅力」を感じるクルマ、いわゆる「なじみやすいクルマ」ができるのではないかと僕は思います。しかし「魅力」を感じさせたいからってたくさん詰め込みすぎたら、何の「魅力」も感じないクルマになってしまう。だから押さえ込むフタとして「コンセプト」が必要になってくる。

「コンセプト」がしっかりすれば、そのクルマに必要な「魅力」を「カーデザイン」に取り込むことができ、「魅力」を感じるクルマ、つまり「なじみやすいクルマ」として初めて成立することとなる。だから「魅力」と「コンセプト」両方をしっかりとすれば、「なじみやすいクルマ」ができるんじゃないかと思う。しかし、「コンセプト」を決める人々がしっかりとまとまっていなければ、自分たちが作りたいクルマとは全く、別の意味をもった車になってしまいます。

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自身の夢「魂を込めたクルマを作る」を熱く語る井口くん

最後に、クルマは言ってしまえば、ただの鉄のかたまり。それをカタチにしていくことで、クルマというひとつの魂がこもったモノとなる。だからいかにしてクルマに魂を込めることができるのか、そこがクルマ1台1台の大きな差となってくるんじゃないかと思う。その辺りもまた、「なじみやすいクルマ」の大きな「魅力」の1つになってくるんじゃないかな、と僕は思う。僕の夢は「クルマを作る人」これに変わりはない。元々、クルマに興味を持ったのは、「どうしてこのモノは動くんだ?」という小さい子なら、誰でも考えそうな、単純な発想でした。今後はどうしたら、魂をしっかりと込めることができるのか、その辺りを考えていきたいと思う。

 

いかがでしたでしょうか?

とても印象的だと感じた事が、言い回しはさておき、“「魅力」を感じさせたいからといって、たくさん詰め込み過ぎては台無しになり、そのフタの役割として「コンセプト」が必要”という言葉でした。プロ同士でも議論する内容を中学生の段階で感じとる感受性は素晴らしいですね。

まだ彼らは中学生です。これからどんなデザインの道を歩むかはわかりませんが、世界をリードする凄いカーデザイナーになる可能性も秘めています。大人の考えを押し付けるのではなくて、彼らには、あらゆるデザインに関することを吸収していってほしいと思います。

今後もCar Design Academyは、将来のカーデザイン業界の為に色々と活動できればと考えています。取材やイベントなどありましたら、info@cardesign.jpまでご連絡ください^ ^

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